ムッシュ米津の家庭料理
手打ちヌイユ

"小麦粉を玉子で練り上げ、薄く延ばして切る卵めんの一種。
ゆでたてを、いろいろなソースであえていただきます。"


母から娘へと伝えられるパスタの味

イタリアでは、めん類を総称してパスタといいます。
スパゲティマカロニ、それにヌードル
太さも、かたちもさまざまに違ったものがあります。

このほか、豚肉やソーセージを詰めたトルテリーニ
ギョウザのようなラビオリ。春巻きに似たカネロニ
ジャガイモ入りのニョッキなど、何種類もあります。

日本の手打ちそばやうどんと同じで、
土地によって、家によって、それぞれの工夫があり、
祖母から母へ、母から娘へと伝えられてきました。

めん類が好きという点では、日本とイタリアは共通していますが。
お酒のあとで、ちょっとおそばをとか
簡単な食事にうどんという日本に対して、
イタリア人は、パスタをスープと同じように食事のはじめに食べます
いわば、オードブルです。パスタのあとのメインディッシュを食べ、
キャンティ(わらずとに入ったぶどう酒)を1本、
おまけにデザートまで平らげるのですから、
その胃袋の大きさには、ため息が出る程ですね。

ゆでる前にソースを用意して

ヌイユは、ヌードルのフランス語です。
小麦粉を卵だけで練りあげ、薄く延ばして切る卵めんの一種で、
きしめんに似た、しこしこした歯ざわりがあります。

では、ヌイユ2種の作り方です。

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ムッシュ米津の料理教室 *手打ちヌイユ

"*手打ち卵めん" 作り方

 材料 4人前
 小麦粉 350g
 卵Lサイズ(約60g/個) 3個
 サラダ油 大さじ2杯
 塩 ひとつまみ

*卵めんの小麦粉

めんの腰を強くしようと思うなら、
強力粉2/3,薄力粉1/3の割合で混ぜて使ってください。
だけど、薄く延ばすのにかなり力がいるし、時間もかかります。
ご家庭では、薄力粉だけでも、かたく練りあげれば、
十分おいしいものができます。

この手打ちめんの特徴は、水が入らないことです。
そのかわり卵はLサイズ。これは守ってください。
卵が小さいとめんのかたさが変わってきます。
卵が小さいときは、1/2〜1/3個加えて、かたさを調整します。

めん台は、食卓に90cm角のキャンバス地か、
厚手のビニール布を敷いて、間に合わせます。
使い終われば、折りたたんでしまえるので、
粉仕事専用に1枚用意しておきましょう。

では始めましょうか。

☆ 作り方

  1. まずめんを練ります
    小麦粉をふるいにかけ、ボウルに入れ、中央をくぼませて、
    卵、サラダ油、塩を入れます。
    指先で周囲の粉を少しずつ混ぜ込んでいき、よく練ります。
    全体を球状にまとめ、ふきんをかぶせ、
    冷蔵庫に入れて2時間くらい休ませます。
    全体がなじんで、なめらかな生地になります。

  2. めんを打ちます
    めん台に打ち粉をしながら、めん棒で、
    生地を打ち延ばします。(右写真@)
    生地の表面をまんべんなく返し、出来るだけ薄く延ばします。
    両手に全身の重みをかけながら延ばすのがコツなので、
    70cmくらいの高さの食卓がちょうどいいわけですね。
    めん棒が短いときは、生地を二つに分けた方が作業が楽でしょう。

  3. めんを切ります
    紙のように薄く延ばせたら、生地の表面に軽く打ち粉をして
    二つに折り重ね、さらにもう一度折り重ねて、(A)
    幅7〜8mmくらいの細さに切っていきます。(B)
    ヌイエットといって、3mmくらいの細さに切っためんも
    ありますから、お好みの幅引きってください。

  4. めんをゆでます
    大なべに湯を沸かし、塩少々を入れて、沸騰したところへ、
    めんをほぐしながら入れ、はしでかき混ぜます。
    沸きあがったら少し水を入れて一度煮立ちを止め、
    2〜3分間煮て、ザルにあけて水気を切ります。

めんはゆでたてがおいしいので、ゆでる前にソースを用意して
おきます。

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"*生ハム入りトマト・クリームソース " 作り方

 材料 4人前
 細切りにしたニンジンとピーマン 各60g
 生ハムの細切り 80g
 完熟トマト 800g
 生クリーム 300g
 バジリコ又は青じその葉 4枚
 バター

☆ 作り方

  1. トマトの皮、種を取って粗切りにし、
    汁気がほどんどなくなるまで煮詰めます。

  2. 細切りにしたニンジン、ピーマンをバターでいため、
    やわらかくなれば、生ハムと煮詰めたトマトを入れます。
    さらに生クリームを加え、少しにて味をなじませます。
    生ハムの塩けが出るので、味を確かめてから、
    塩、コショウをします

  3. ゆでたてのヌイユをこのソースであえて皿に盛り、
    バジリコの葉の細切りを上にちらします。

生ハムからのおいしい味がしみ出るのがこのソースの
魅力ですが、なければ普通のハムを使ってください。

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"*キノコ入りクリームソース " 作り方

 材料 4人前
 シメジ(100g/1パック) 2パック
 シイタケ(100g/1パック) 2パック
 マッシュルーム(80g/1パック) 2パック
 ハム 200g
 生クリーム 400g
 バター

☆ 作り方

  1. シメジの石づきを取って、ばらします。
    マッシュルームも石づきを取って、薄切り、
    シイタケの軸を取り、薄切りにします、
    ハムは細切りです。

  2. ソースなべにバター大さじ1杯を溶かし、
    キノコを全部入れていためます。
    ハムを加えて少しいため、生クリームを入れ、
    味をなじませるようにして1〜2分間煮ます。

  3. ハムの塩味があるので、味を確かめてから、
    塩、コショウをし、ゆでたてのヌイユを加えて
    あえます。
    すりおろしチーズを別に添えて、お好みでどうぞ。

* 乾燥したヌードルか、幅の細いヌイエットを使えば
  簡単にできます。


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文・写真(イメージ写真)提供:ひかりのくに株式会社

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