ムッシュ米津の家庭料理
オムレツ３種
|
"たっぷりのバターで焼いたプレーン・オムレツは、
最も単純ですが、あきのこないものですね。
日曜日の朝の食卓に。"
さまざまに姿を変えるプロテウス
＜卵料理、この料理のプロテウスについては、いまだに書き続けられている＞
フランスの作家で、食通でもあったモンスレ（１８２５−１８８８）は「美食者書簡」に、そう書いています。
プロテウスは、ギリシャ神話の海の主神・ポセイドンの従者で、
海に住む老人、さまざまに姿を変える術を持っていました。
その後も卵料理について論じる本はたくさんありますが、
さて、どれだけ総括できているでしょうか。
でも、やはり最も単純で、あきないのはオムレツですね。
休みの日の朝、わが家では
私は魚の干物と納豆、おみおつけ、ほうれん草のおひたしですが、
家内は魚がだめなので、リクエストはオムレツ。
「あなた、近ごろ料理場にいることが少ないでしょう。
腕が落ちないように、けいこをしたらどう？」
オムレツに関して、私はまだ現役の腕をどうやらもちこたえています。
ふっくらできたてを
私どもがホテルで作っているプレーン・オムレツをまず作ってみましょう。
朝食では、１人前卵２個で作ります。
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
"プレーン・オムレツ " 作り方
| 材料 １人前 | |
| 卵 | 2個 |
| バター | |
| 塩 | |
| コショウ | |
☆ 作り方
- フライパンにバターをやや多いめに溶かし、なべ全体に
なじませます。
火加減は強火です。
- バターが熱くなってきたら、それまでボールに溶きほぐし、
塩、コショウで味をつけておいた卵を流し入れます。
- 左手でフライパンの柄を前後に動かし、右手におはしを
持って、手早くかき混ぜます。
- フライパンに密着した部分の卵はすぐに焼けてかたまる
ので、たえずかき混ぜます。
- 全体がかたまりかけてきたら、フライパンの柄を持ち上げ、
底を４５度くらいに引き上げ、おはしかフライ返しで卵を
前方へ寄せるように巻きます。
- 左手で持ったフライパンの柄の中ほどを、右手で軽く
たたきながら、卵をフライパンの中で回転させて
全面を焼きます。
- 合わせ目が１回転して上にきたら、柄を逆手に持って
お皿に移します。
- 返しながら移してください。
きれいに仕上がります。
でも無理しなくてもいいのです。
卵をフライパンの中で回転させるのは少し難しいので、
卵を前方へ寄せるように巻いたら、ここでオムレツ型に
作ってしまい、火からおろします。
柄を逆手に持ち、左手に持った皿の上に返しながら入れると、
フライパンに密着していた面が表に出て、見た目にも
わるくありません。
オムレツ用のフライパンは、鉄製ならば、揚げ物に
使用して充分にならしたものでないと、卵がくっついて
うまく焼けません。
テフロン加工をしたものが無難だと思います。
ただし、なべの縁が少し高く、まるみをもって内側に
曲がっているのは、フライパンの柄をたたいても、
オムレツを回転させるのは難しいでしょう、
次は応用編です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
スパニッシュオムレツ
| 材料 ４人前 | |
| 卵 | 8個 |
| タマネギ | 100g |
| ピーマン | 2個 |
| マッシュルーム | 8個 |
| トマト | 300g |
| バター | |
☆ 作り方
- 具を用意します
タマネギは１センチくらいの角切り、ピーマンは種を取って同じように切ります。
マッシュルームは薄切りです。トマトの皮、種を取って粗切りにして煮ます。 - フライパンにバター大さじ１杯を溶かし、タマネギからいためます。
しんなりしてきたら、マッシュルームとピーマンを入れ、柔らかくなるまで炒め、
トマトのなべにあけます。
塩、コショウをし、汁気がなくなるまで煮て、火からおろします。 - オムレツを焼きます。
ボールに卵を２個割って溶きほぐし具になる野菜の４分の１を加えてよく混ぜ、
プレーン・オムレツのように焼きます。
ポテトとベーコン入り平焼きオムレツ
| 材料 ４人前 | |
| 卵 | 8個 |
| ベーコン | 150g |
| タマネギ | 100g |
| ジャガイモ（皮付きのままゆでる） | 300g |
| 刻みパセリ | |
| バター | |
☆ 作り方
- 具を用意します
ベーコンを幅１．５〜２センチに切り、薄切りにしたタマネギと大さじ１杯のバターでいためます。
茹でたジャガイモの皮をむいて半割か４つ割りにし、厚さ５ミリくらいに切ってから加えます。
さらにいためながら、塩、コショウをして、火からおろします。 - 平焼きオムレツを作ります。
ボウルに卵を２個割り、具を４分の１入れてよくまぜます。
直径１８〜２０センチのフライパンにバターを溶かし、弱火にして卵を流し入れ、
具を平均にならして、ふたをし、３〜４分間焼きます。
お皿にとって、刻みパセリをふります。
泡立てオムレツ
| 材料 ４人前 | |
| 卵 | 8個 |
| 生クリーム | 大さじ4杯 |
| バター・パセリ | |
☆ 作り方
- 卵を泡立てます。
１人前ずつ作ります。ボウルに卵白を２個入れます。
別のボールに卵黄２個に生クリーム大さじ１杯を入れて溶き、塩、コショウで味をつけます。
卵白をかた雪状にに泡立てて、生クリーム入りの卵黄を加えて軽く混ぜます。
- オムレツを焼きます。
直径２２〜２４センチのテフロン加工のフライパンにバター大さじ１杯を溶かし、熱くなったら、
泡立てた卵を流し入れ、木しゃもじで大きく全体をまぜます。
卵が焼けてきたら、フライパンの柄をもって底を傾け、木しゃもじで卵を前方に寄せて、
オムレツ型にします。
フライパンに密着した部分を少し焼いたら、フライ返しでオムレツをフライパンの手前に返し、
裏側を焼いてお皿に取ります。
- できたらすぐに召し上がるようにして下さい。
ふっくらとしているうちが身上ですから。
ケチャップ、マスタード、ウスターソース、おやつにするにはジャムを添えて下さい。
そのときは、できあがったオムレツに粉砂糖をふりかけると良いと思います。
（写真の泡立てオムレツは卵を３個使用したものです）
文・写真（イメージ写真）提供：ひかりのくに株式会社
ホーム > ムッシュ米津の家庭料理 > オムレツ３種