この度、新しいパートナーの方々と、フランス料理博物館 plaisir de la table(プレジール・ドゥ・ラ・ターブル)の 内容の充実に取り組んでおります。
皆さんこんにちは。秋も深まった感じです。 お元気でお過ごしでしょうか。 今月は香辛料のお話しの続きをしましょう。 (少し長文となりますが、いろいろな香辛料を紹介しており ますので、秋の夜長に、ゆっくりとお楽しみください。) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ☆ 香辛料の効用 食欲の増進、防腐作用、医薬的な作用があげられます。 香辛料特有の精分は刺激性ですから、消化器の粘膜を強く刺激 して、中枢神経の働きを高めます。 その為、消化器へ送り込まれる血液は多くなり、消化液の 分泌が高まって食欲が増進されます。その結果消化が良くなり、 腸のぜん運動もうながされて吸収が良くなるわけです。 中枢神経の作用を高めることは、血行を良くすることであるから、 寒い季節には体が温まります。 唐辛子は、特にその目的に使われることが多いのです。 刺激精分は、人体内で回虫や、寄生虫の駆除に効果があると 云われており、又その防腐力によって、食中毒や食物の腐敗を 防ぐ効果があります。 食塩、酢、砂糖と併用するとより効果が高まります。 防腐力:コショウ・カラシ・ショウガ(鰹)・ワサビ(刺身)等 辛味の強いものほど高く、唐辛子は殺菌力が強くありません。 その為、乾燥型のソーセージ(サラミソーセージ)には非常に強い 香辛料が使用されています。 ビールのホップも発酵させている麦汁が腐らない様に、ホップの 防腐作用を利用したものです。現在では、ビールを美味しくさせる 苦みとして用いられています。 香辛料の多くは、漢方薬に使われています。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ☆ 香辛料の使い方 香辛料の歴史が肉のにおい消しからスタートしたことから思えば、 香辛料が矯臭効果を特に持つことは当然であります。 しかし香辛料を使ううえにおいていちばん大事なことは、 ひとつの香辛料が万能でないことであり、いろいろの香辛料を うまく組み合わせてゆくことが必要であります。 香辛料はだいたい、におい消しや香り付けが多いので、一般に 料理の始めの方で使うことが多々あります。 調理の下準備の段階で、獣肉や時としては魚に香辛料をまぶして 香り付けをします。 香辛料を使う上で、一番大切な事は、主成分が揮発し易いと いう事です。揮発するからこそ、香りを用いる事が出来るわけで、 そのことがまた欠点ともなっています。 使用しないで長い間放っておくと、香りも味もとんでカビ臭い スパイスになります。従って、出来るだけ小単位で、しかもよく 売れている店で買う事が望ましく思います。 また買ったものは、なるべく早く使用してしまう事です。 欧米では各家庭に、コショウ挽きという小さい道具があって、 コショウを使う必要があるごとに、粒コショウをそれに入れて、 ガリガリと手で回して、挽きながら料理に振り込みます。 こうすれば、常に非常に新鮮な香りが楽しめるわけです。 こういったことから香辛料を買う場合は、密閉された小単位の 容器入りをおすすめします。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ☆ 香辛料それぞれ ○カレー粉 世界でもっとも普及している混合香辛料です。 基本的にはC&B社のカレー粉を踏襲したもので、 その味は主にクミン、コリアンダー、 その辛味は主に唐辛子、胡椒,ニンニク、生姜、 その色は主にターメリック、サフラン、パプリカ、 その香りは主にクローブ、シナモン、カルダモン、ナツメッグ、 オールスパイス、キャラウェイ、フェンネルなどによるものです。 混合する香辛料の種類、割合は、人によって様々な違いがあります。 ○クミン 別名ローマンキャラウェイという様に、キャラウェイによく似た 強い香りをもつ、セリ科植物の種子。 チーズ、カレー粉、シチュー、パンなどに使用されます。 ○コリアンダー 実はかなりの悪臭があり、完熟すると芳香に変わります。 ギリシャ語のコリエ(南京虫)からコリアンダーの名が付けられて おります。 白胡椒の様な形状で、パン、ピクルス、カレー粉などに使用します。 ○唐辛子 品種には、甘み種と辛味種があるが、香辛料としては、主に辛味種を 使用します。 ○ニンニク 特有の強い香気と、辛味があり肉料理、サラダドレッシングの 風味付けに使用します。南仏のプロバンス地方では、プロバンスの バニラと云われる位いろいろな料理に使用されます。 ○生姜 根茎を香辛料として用います。熱帯アジアの原産でヨーロッパでは 出来ないので、西洋では乾燥させて使用します。 ○胡椒 インド原産。南部インド、マレー、セイロン、ボルネオ、西インド 諸島、中南米で生産され、黒い外皮の付いたのが黒胡椒、熟成させて 外皮を取り除いたものが白胡椒です。香辛料として多用され、大変 歴史の古いもので、青胡椒、ピンクペッパーなどもあります。 ○ターメリック うこんの根や茎を乾燥させた香辛料で、止血、健胃剤として使用 されます。インド東部やセイロン島に産し、黄色色素のクルクミンを 含有 するきれいな黄色であるため、カレー粉や、たくあん、バター、 チーズ、洋辛子の着色料として利用されます。 ○サフラン クロッカスの雌芯(めしべ)。オリエント原産、アラブ人の手で スペインへもたらされました。日本は岡山県で栽培。ブイヤベース、 リゾットなどの米料理。その効能は、血行を良くします。 ○パプリカ ハンガリーが主産地。スペインでも産出します。辛くない唐辛子の粉。 ハンガリー料理のグーラッシュには不可欠な香辛料です。 ○クローブ 丁字の花のつぼみ。褐色の折れ釘状。モルッカ諸島が原産で、 スープ、ハム、菓子、のほか化粧品にも使用します。 ○シナモン 肉桂という木の皮を乾燥したもの。セイロン島産の棒状のものが 最上品とされています。リンゴに良くあうので、アップルパイ、 焼きリンゴに使用します。日本の九州でも産出。 京都の八つ橋に使用、日本への渡来は徳川中期頃。 ○カルダモン インド・セイロン(スリランカ)地方に産するショウガ科植物の 種子。ショウノウに似た香気が強い。 ソース、肉製品、オランダ風の菓子パン等に使用。 ○ナツメッグ にくずくの種子。東インド、マレー諸島、台湾とうにて産出し、 ハム、ソセージ、菓子等に使用します。 ○オールスパイス ジャマイカペッパーとも云い、実を乾燥させた香辛料。 ナッツメッグ、シナモン、クローブを混合させた様な風味を もつ所から、オールスパイスと呼ばれます。 肉の煮込み、フルーツケーキなどに使用。 ○キャラウェイ 姫ウイキョウとも云います。ヨーロッパの起伏の多い地方や、 牧場などに生えている草木で、栽培も行われています。 主産地はオランダ。根や果実は調味料として用いられ、 チーズの香り付けや、パン・クッキー・ケーキなどに使用します。 ○フェンネル(ういきょう) セリ科の植物の種子を原料とした香辛料で、ヨーロッパ原産。 岩手、長野でも生産され、リキュール、パン、肉類の製品の 香辛料として使用。ブイヤベースにも使用されます。 ○ローリエ 月桂樹の葉。地中海沿岸が主産地。 ギリシャのオリンピックで勝者の頭に冠したのはこの月桂樹です。 スパイスとして一番多目的に使用され、日本でも栽培されています。 ソース・シチュー・スープ・ピクルスなどに多目的に使用されます。 ○タイム たちじゃ香草の葉を乾燥したもの。南ヨーロッパ産。日本でも栽培。 クラムチャウダー、魚、コロッケ、フリカッセに使用。 ソーセージの香辛料としても欠かせないものです。 ○セ−ジ サルビア属の植物で、その葉には、高い芳香と苦みと渋みがあり ます。肉類、特に豚肉に良くあいます。 その他、サラダのドレッシング、チャウダー(スープ)、カレー ソース、ソーセージなどに広く使用されます。 ○バニラ メキシコ、西インド、ジャワ、が主産地。バニラの未熟な莢状の 果実を採り、炉で発酵させると甘い芳香が出てくる。 一般には合成バニリンが多く使用されている。 ○五香(ウーシャン) フェンネル・肉桂・山椒・丁字・陳皮の五種類を混ぜた中国料理の 香辛料である。 ○アニス 種子を原料とする香辛料。ミツバグサ属の植物の種子で、イタリア 及びフランス産が有名でる。芳香油の90%は固形アネトールより なり、テルペンも含有する。リキュール・パン・ケーキ・クッキー などに使用する。 ○くちなし アカネ科に属する木の果実で黄赤色。果実が熟しても口を開かない ことからきている。カロチノイド系の色素を含み、無害なので 食物を 黄色く着色するのに古くから使われてきた。 たくあんや、栗の着色にしよう。 ○八角 大茴香またはスターアニスという。しかし、アニスともフェンネル とも全然異質な植物。種子をさやごと乾燥させ、香料として用いる。 中国料理では重要な香料。 ○ローズマリー 地中海沿岸の原産。小さい松葉の様な、細かくて曲がった短い派。 甘いフレーバーがあり、羊類の料理や、かぶ、カリフラワーなどに 合う。 などが、日常よく使われている香辛料です。
☆ わが家のチキン カレ− *材料 4〜5人前 チキン腿肉500c 塩・胡椒 サラダ油 にんにく15c 生姜50c マッシュル−ム150c 玉葱400c 人参120c セロリ−150c ポテト300c サラダ油・塩 カレ−粉40c チャツネ75c チリソ−ス40c チキンブイヨン900t(別に濃度調整用300t) トマトジュ−ス300t 作り方 1 チキンは4−5aの角切りにします。 2 ニンニク、生姜、玉葱、人参、セロリ−をみじんに切ります。 マッシュル−ムは薄切りに、ポテトは、皮をむいて小角切りにします。 3 チキンに塩、胡椒をし、フライパンにサラダ油を入れ強火で炒めます。 4 ソ−ス鍋にサラダ油を入れ、ニンニク、生姜を炒めます。 香がたって来たら、玉葱、人参を入れて炒め、 しんなりした所にマッシュル−ムを加え、野菜が柔かくなる迄、 弱火で炒め、カレ−粉を加えます。 5 続いて、炒めたチキン、ポテト、チキンブイヨン、 トマトジュ−ス、チヤツネ、チリソ−スを入れて煮立てます。 弱火にして、時々かき混ぜながら約1時間煮ます。 6 塩味を調え、煮詰まり加減を残りのブイヨンで調節をします。 * チキンブイヨンの代わりに、 水900tにチキンの固形スープ4個を加え、 煮溶かしてご使用下さい。煮詰まった時はお湯を加えます。 固形スープに塩味があるので、塩はひかえ目にして下さい。
☆ お知らせ ムッシュ米津の家庭料理のページでは 『カキとブロッコリーのクリームソース煮』の 作り方をご紹介しています。 http://www.plaisirdelatable.jp/cooking/index.html まっ白のソースの中で、真珠色に輝くカキは、 まるで貴婦人のような味わいです。 バターライスとブロコリーを添えて。
フランス料理に役立つ「フランス料理の食材・機材」では、 料理に使っていただきたい最高の食材と機材をリンクで ご紹介しております。 http://www.plaisirdelatable.jp/food/index.html 今月は「発酵バター」「海塩バター」を ご紹介しております。 こちらのコーナーも、ぜひご活用ください。
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