フランス料理博物館 プレジール・ドゥ・ラ・ターブル

Vol.15  2010年2月


ただ今、新しいパートナーの方々と、フランス料理博物館

plaisir de la table(プレジール・ドゥ・ラ・ターブル)の

内容の充実に取り組んでおります。

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お正月は如何お過ごしでしたか。
旅行組。巣ごもり組など、
皆様それぞれにお楽しみ頂いた事と思います。


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今月は「トリュフ」のお話しをしましょう。
フランス料理のご馳走に欠かせられないものに、
キャビア、フォワグラ、それにトリュフがあります。

では、トリュフっていったいどんなもの?
それはフランスの数あるきのこの中で、
王様と云えるキノコのことです。
日本料理で云えば松茸のようなもので、
香りを活かした、季節のご馳走です。

トリュフィエ(白柏の1種)と云う木の根
自然発生する地下のきのこです。
そしてその発生の秘密は明らかにされていません。
7月に発芽し、雨が充分に降ると秋までにはすっかり育ちます。
最初の霜と最後の霜の間すなわち、
11月の末から3月の初めがトリュフの採取期です。

フランスのペリゴール地方では、
昔から豚をトリュフ狩りに使っていました。
特に雌の豚は嗅覚が鋭敏なのでトリュフを探し出すのが得意で、
時折トリュフを食べさせながら育てると、
”トリュフに目のない豚”になるそうです。
              
農家のマルセル叔母さんから聞いた、トリュフ狩りのお話しです。

連れてきた雌豚のルイーズに結んである革ひもに
引っ張られる様にしてトリュフィエの林に入って来ました。
ルイーズは鼻を鋤の刃の様に使って土をほじくり、
足で猛烈にひっかきながら深さ20センチほどの穴を掘ると、
いぼいぼのある黒いゴルフボールの様なものが出てきました。
ルイーズがかぶりつく前に、
マルセル叔母さんは彼女の尻をひっぱたいて、
そのトリュフを取り上げてしまいました。
私たちは、ルイーズに穴を掘らせては、尻をたたいて
取り上げるという作業を続け、お昼頃までに
19個の大きなトリュフを採りました。
虫が食ったり、しなびた様なものは、
みんなルイーズに食べさせてやりました。

私たちは持ってきたサンドイッチや
山羊の乳で作ったチーズを広げて昼ご飯を始めました。
それと、いま取り立てのトリュフに、
塩をぱらっとかけただけで食べます。
風味と、歯ごたえと、香りの3拍子揃った
ベリゴールのトリュフは、ハツカダイコンのような歯触りで
食べた後いつまでも
口の中にデリケートな味わいが残ります。

掘り出したトリュフは
灰褐色で、切ると、極小さい斑点が入っています。
手触りがしっかりとしていて、弾力があり、虫が付いておらず、
水に入れるとすぐに沈むものが上質です。
悪いものは必ず浮いてしまいます。
トリュフは使う前にブラシで丁寧に土を払い、
水洗いはしません。

トリュフ すなわち「犬の鼻先」
フランス語のトリュフと云う言葉は、
犬の鼻先という意味なのです。
現在では、豚の代わりに犬を使って、
トリュフ探しをしているようです。
トリュフの香りを染みこませた肉片を犬に与えて訓練をし、
トリュフ犬として育てています。

今世紀の初めには2000噸(トン)もあった生産量が、
今では100噸(トン)を切る程に減少しつつあります。
最近のトリュフの値段は高騰し、
1キロで20万円、30万円の値段が付きます。

それでもフランス料理のご馳走と云えば
必ずといって良い位使用されます。
トリュフの香りはほかの食べ物に移って
大いに味を引き立ててくれるので、

ペリゴール地方の農家の人達は、
容器に卵とトリュフを入れて密閉し、
一晩おいて卵を取りだし、高価なトリュフを使わずに、
トリュフの香りのたっぷり入ったオムレツを作ると云われています。

その他の茸
フランス料理で使用されるきのこの種類は沢山ありますが、
日本でよく見られるのはジロル(うすたけ)
セープ(ぬめりいぐち)モリーユ(編み笠たけ)
シャンピニョン(はらたけ)などです。

この内はらたけは、英名でマッシュルームと呼ばれ、
ソース、スープ、付け合わせ、調理の補助材料と、
その使用範囲は広く又料理の味出しに欠かせない存在です。
以前は穴蔵、地下室、温床を利用した栽培をしていましたが、
現在は湿度、温度の管理が出来る建物の中で、
人工堆肥を使用して安定した収穫が得られる様になってきました。

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今日はトリュフ料理の代わりに
いろいろな茸を使ったポタージュを作ってみましょう

 材料 4−5人分

 玉葱150c
 ご飯100c
 水900t
 チキンの固形ス−プ2個
 バタ−大さじ1杯
 生クリーム(乳脂肪47%)100t
 別に
  マッシュル−ム1パック(80c)
  榎茸1パック(100c)
  椎茸1パック(100c)
  バタ−大さじ1杯

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 作り方

 1 玉葱を薄切りにしてソ−ス鍋に入れ、大さじ1杯のバタ−で、
   しんなりとなるまで炒めます。

 2 ご飯、水、固形ス−プを加え、20分程弱火で煮て、
   ミキサ−にかけ滑らかになったら鍋にあけます。
              
 3 マッシュル−ム・椎茸は軸を取ってふたつ割りにし、薄切りにします。
   榎茸は穂先から6a位で切り、それを3つに切ります。

 4 大さじ1杯のバタ−で、きのこを炒め先のス−プの鍋に入れます。

 5 弱火で少し煮て、味をなじませ、生クリーム、塩、胡椒で調味し、
   あつあつのポタージュを取り分けます。

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☆ お知らせ

ムッシュ米津の家庭料理のページでは
『カニのクリームスープ』の作り方をご紹介しています。

 http://www.plaisirdelatable.jp/cooking/index.html

 カニの殻も脚も細かくたたきつぶして一緒に煮込み、
 そのうま味をひき出して、スープに仕立てます。

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フランス料理に役立つ「フランス料理の食材・機材」では、
料理に使っていただきたい最高の食材と機材をリンクで
ご紹介しております。

 http://www.plaisirdelatable.jp/food/index.html

今月は 『舌平目』『ふかひれ』
ご紹介しております。

こちらのコーナーも、ぜひご活用ください。

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