フランス料理博物館 プレジール・ドゥ・ラ・ターブル

Vol.20  2010年7月


ただ今、新しいパートナーの方々と、フランス料理博物館

plaisir de la table(プレジール・ドゥ・ラ・ターブル)の

内容の充実に取り組んでおります。

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皆様お元気ですか

もう夏です。何か口当たりの良いお料理はと
あれこれお考えのことと思います。

今日は、マリネについてお話ししましょう。

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カルパッチョはイタリアの画家の名前です

カルッパチオは、イタリアのヴェニスのレストラン、
ハリーズ・バーのオーナー、ジュゼッペ・チプリアーニが、
1950年の秋、
常連のひとりアマーリャ・ナーニ・モチェニーゴ伯爵夫人が、
厳しい食事制限で調理された肉を食べられない事を知り、
即興で考案した料理です。
生の牛フィレ肉の薄切りを扇形に飾り、
その上にマヨネーズとマスタードを混ぜたホワイトソースを
網の目状にかけたものです。
この料理は、ドッカーレ宮殿で開かれていた、
ルネッサンス期の画家ヴィットーレ・カルパッチの
回顧展で見た絵画の赤と白の色彩にヒント
を得て、
ビーフのテンダーロインとホワイトソースを組み合わせたと
いわれています。
今は、いろいろな材料、肉、鴨、魚、海老などが使われていますが、
牛肉を使い、マヨネーズベースのソースをかけたものが
元祖カルパッチョであります。

マリネという調理法

料理にマリネという調理法がありまます。
肉・魚・野菜等を、塩、オイル、酢に漬けたり、
揚げて酢油に漬ける調理をさします。
素材に風味を付けたり、柔らかくする目的の下拵えです。
マリネはフランス語ですが、日本でもそのままマリネとして使っています。

スペイン料理のエスカベーシュ
  唐揚げにして、香味野菜とと共に酢漬けにした料理。
ドイツ料理のロールモップ
  ニシンのおろし身にピクルスを芯にして巻き、香味野菜、
  香辛料と共に酢漬けにした料理。
欧風料理では、マリネを作るときに、
レモン汁、ワイン、香草、香辛料などを加えることが多くあります。
日本の南蛮漬け・しめ鯖などもマリネにあたりますね。

今日は、口当たりの良い、野菜の冷たくした煮物をご紹介しましょう。
材料の色数が多いですが、全部揃わなくても結構です。
暑さに向かって食欲の落ちるときに、ぜひお作り下さい。


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野菜の冷やし煮物白ワイン風味

 ・キウリ(1.5本)       150c
 ・ニンジン(小1本)     120c
 ・セロリ−(1本)      100c
 ・ナス(2本)         200c
 ・椎茸(4枚)         60c
 ・シメジ茸(1/2パック)   50c
 ・マッシュル−ム(8個)    80c
 ・ヤングコーン        8本
 ・ミニトマト         8個
 ・野菜の煮汁
  −水            400t
  −レモンの絞り汁      50t
  −白ワイン         100t
  −サラダ油         100t
  −チキンの固形ス−プ    2個
  −ベイリ−フ        1枚
  −塩・胡椒

 作り方

 ・野菜の準備
  キウリ     皮をむいて4a位の筒切りにしたもの、8個
  ニンジン    皮をむいて5a位の筒切りにし、4〜6つ割りにしたもの、8本
  セロリ−    表面の筋を取り、長さにそって2割にし、6〜7aに切ったもの、8個
  ナス      へたを残し、皮を剥いて、横半分に切ります。
  椎茸      軸を取って、ふたつに切ります。
  シメジ茸    根元を切ってバラします。
  マッシュル−ム 軸を取ってそのまま。
  ヤングコーン  切らずにそのまま。
  ミニトマト   熱湯につけて皮をむきます。

 1 野菜をした茹でします
   鍋に湯を沸かし塩ひと摘み入れ、ニンジン、セロリ−を入れて
   3〜4分煮ます。
   続いてキウリ、ヤングコーンを入れ更に3−4分煮て取り出します。
   その後でナスを3〜4分茹でます。(ナスを他の野菜と一緒に茹でると、
   ナスの色の染まります。)
   茸類はしたゆでしません。

 2 野菜を煮込みます
   煮汁の材料を全部鍋に入れて火にかけ、トマト以外の野菜を全部入れ、
   煮上がったらやっと煮立つ位の弱火にします。味をみて塩、胡椒をし、
   落とし蓋をして野菜が柔らかくなる迄20〜25分間煮ます。

 3 冷やします
   野菜に煮汁がかぶる位のボールに移し、ミニトマトを加えて冷まします。
   その後冷蔵庫に入れて良く冷やします。

 4 盛りつけです
   野菜の形のおもしろさを生かして、ガラスの皿などに盛り付けます。

 ・調理のポイント
  *野菜の下茹では、煮汁に入れる時、野菜の固さを同じにする為です。
  *マッシュル−ムや茸はそのまま入れます。
   煮ると良い味が出て全体に旨味が加わります。
   缶詰は味がないのでお薦め出来ません。

おしゃれな夏の食前酒ベリーニ(白桃とシャンパンのカクテル)を
ご紹介しましょう

1948年に白桃が好きだったジュゼッペ・チプリアーニ
小さな白桃をピュレ(裏ごし)にして、
プロセッコ(シャンパンのイタリア版)を加えて作ったカクテルです。
その名は、15〜16世紀のヴェネツィア派の画家ジョヴァンニ・ベリーニ
作品のひとつにある鮮やかなピンク色から命名されました。
基本的には白桃が実る6月から9月の間だけに作る事が出来る
旬の飲み物でしたが、最近では良質の白桃のピュレがフランスから輸入され、
1年中ベリーニがのめる様になりました

ピュレで作る場合レシピは、白桃のピュレ1に対して、
冷たいブロセッコを3の割合
で混ぜ、良く冷やしたグラスに注ぎます。
ピンク色を出す為に、グレナデンシロップを1−2滴混ぜます。

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☆ お知らせ

ムッシュ米津の家庭料理のページでは
『マグロのマリネあさつき風味』『チキンのマリネ』
作り方をご紹介しています。

 http://www.plaisirdelatable.jp/cooking/index.html

 マリネは、今では味付けのひとつのテクニックになっていますが、
 本来は厳しい人間の歴史を抱え込んでいるのです。
 マリネに秘められた人間ドラマとは…

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フランス料理に役立つ「フランス料理の食材・機材」では、
料理に使っていただきたい最高の食材と機材をリンクで
ご紹介しております。

 http://www.plaisirdelatable.jp/food/index.html

 今月は『ナチュリフルーツパウダー』『マイクロリーフ』
 ご紹介しております。

こちらのコーナーも、ぜひご活用ください。

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