フランス料理博物館 プレジール・ドゥ・ラ・ターブル

Vol.21  2010年8月


ただ今、新しいパートナーの方々と、フランス料理博物館

plaisir de la table(プレジール・ドゥ・ラ・ターブル)の

内容の充実に取り組んでおります。

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皆様お元気ですか

毎日暑い日が続きます。
何か口当たりの良い、さっぱりしたものが欲しいですね。

今日は冷たいポタージュを作ってみましょうか。

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日本料理では「羹」フランス料理では「ポタージュ」

フランス語で、ポタージュと云うとスープの総称で、
鍋で肉や野菜を煮込んだ汁気の多い料理をいいます。
日本語では羮(あつもの)にあたる言葉でしょうか。

皆さんよくご存じの「ポ・ト・フー」は、
フランス語で火にかけた鍋という意味で、
牛肉、鶏、野菜などを長時間煮て作ります。
家庭でも良く作られポタージュの原形と云われています。
その昔、フランス王の、アンリ4世(1553-1610)は、
農民の生活が楽なものではなかったので、
週に1度位、安息日には農家でも、
肉や鶏の入ったスープを食べさせたいと、
念願して善政を敷いたといわれ「ポ・ト・フー・アンリ4世」
と料理にその名が付けられています。

濃度のあるポタージュは、
ルー(小麦粉とバターを炒めて作る)・米(ご飯)・パン
粉質を多く含んだ野菜・卵黄などがそのつなぎに使用されます。

澄んだポタージュがコンソメのことです

コンソメは浮き実によって、名前が付けられています。
・レタスを細く刻んだシフォナード
・野菜の細切りのジュリエンヌ
・野菜を極小さな角切りにしたブリュノワッズ
・コンソメと玉子で作った洋風玉子豆腐ロワイヤル
などがあります。

裏漉しをしていない野菜、魚介、肉類などの入っているものは
スープと呼ばれています。

南フランスのブイヤベース
 魚介類を:玉葱、トマト、オリーブオイル、サフラン、
 ウイキョウなどで煮込んだスープです。

ポーランドのボルシチ
 牛肉、ベーコン、鴨の肉、ソーセージ、
 細切りにした野菜などで煮込んで、
 すりおろした赤かぶを入れて仕上げたスープです。

イタリアのミネストローネ
 色紙切りにした野菜、ベーコン、
 にんにく、スパゲッティ、刻みパセリなど、具沢山のスープです。

アメリカのクラムチャウダー
 蛤、玉葱、ポテト、ベーコン、クラッカを入れたスープです。

蛤のだしがなければ

何をやっても、ドジだった見習い時代のお話し。
今日は、蛤のス−プがメニューにありました。
「蛤を煮ておけ」と云われて煮ました。
そして煮汁を全部捨てて、蛤の身だけ、丁寧に取っておいたのです。
さて、ス−プを作る段になって蛤の煮汁がない。
「煮汁はどうしたんだ」きかれて
「はい、捨てました」、
「このやろう、蛤のだしがなけりゃー蛤のスープが作れるか!
と大目玉をくらい、あわてて蛤を買い走ったというお粗末。

スープ作りのベースにはブイヨンがいります。
近ごろは、固形のチキンや、ビーフのブイヨンが簡単に手に入り、
スープ作りも楽になってきました。
手間はかかりますが、
トリがらでブイヨンを作ることも覚えておくと良いでしょう。

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チキンブイヨン

 材料 出来上がり 約6カップ(1200t)
 ・トリがら3羽分 約750c
 ・ニンジン 50c
 ・タマネギ 100c
 ・セロリ 50c
 ・ベイリーフ 1枚

 作り方

 1 トリがらと野菜を用意します
   トリがらは、あばら骨についた内臓をとり、
   小さく切り割り、水洗いします。
   ニンジン、タマネギ、セロリを小切りにします。

 2 材料をなべに入れて煮ます
   トリがらとベイリーフを大鍋に入れ、
   水をカップ15杯加えて煮立てます。煮上がってきたらば
   火を弱くし、アクを丁寧にすくい取ります。
   野菜と塩をひとつまみ加え、約2時間煮ます。
   トリがらを箸で摘んで、がらがくずれる位になったら、
   うま味が出きっているので、火から下ろして漉します。

 *途中煮詰まるようなら差し水をします。
 *煮上がった時、火を弱くしないで煮続けると、
  アクが混ざって、ブイヨンがにごります。
 *残れば、冷凍して保存します。

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暑さに向かって口当たりの良い
”キュウリの冷たいクリームスープ”をご紹介しましょう。

キュウリの冷たいクリームスープ

 材料 4〜5人前
 ・キュウリ 500c
 ・タマネギ 125c
 ・トリのブイヨン 600t
  (又は水600tとチキンの固形スープ2個)
 ・コーンスターチ 10c
 ・生クリーク 100t
 ・バター
 ・塩、胡椒
 ・刻みパセリ

 作り方

 1 野菜の下拵えをします。
   まず、キュウリの皮をむいて、半本をを小角切りにし、
   残りは小さく刻みます。タマネギを粗みじんに切ります。

 2 スープを煮ます
   タマネギをバターでいため、トリのブイヨン、
   キュウリを入れて弱火で煮ます。

 3.ミキサーにかけます
   14〜15分煮てキュウリがやわらかくなったら、
   少し冷まし、ミキサーにかけてください。

 4.なべに戻して仕上げます。
   ミキサーにかけたものをなべに戻して火にかけ、
   小角切りのキュウリと、コーンスターチを生クリームで
   溶きのばして加え、ひと煮立ちさせます。

 5.塩加減をみてから、冷やします
   冷蔵庫で充分に冷めたくします。
   刻みパセリを散らしてすすめます。

手作りのチキンブイヨンをお使いのときは、
コーンスターチは不要です。
冷蔵庫で充分に冷やすと、ブイヨンに含まれた
ゼラチン質が煮こごりとなってとろみが付きます。

このスープは、作家であり、こよなく食を愛し、
長女の亜美さまと、グルメな生活を送られている
犬養智子」氏より教えて頂き、私が少しアレンジしたものです。

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☆ お知らせ

ムッシュ米津の家庭料理のページでは
オムレツ3種(スパニッシュオムレツ・ポテトとベーコン入り
平焼きオムレツ・泡立てオムレツ)』の作り方をご紹介しています。

 http://www.plaisirdelatable.jp/cooking/index.html

 たっぷりのバターで焼いたプレーン・オムレツは、
 最も単純ですが、あきのこないものですね。
 日曜日の朝の食卓に。

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フランス料理に役立つ「フランス料理の食材・機材」では、
料理に使っていただきたい最高の食材と機材をリンクで
ご紹介しております。

 http://www.plaisirdelatable.jp/food/index.html

 今月は『マッシュルーム』『ゲランドの塩』
 ご紹介しております。

こちらのコーナーも、ぜひご活用ください。

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