ただ今、新しいパートナーの方々と、フランス料理博物館 plaisir de la table(プレジール・ドゥ・ラ・ターブル)の 内容の充実に取り組んでおります。
皆様お元気ですか。 玉葱の収穫が始まっております。 今日は、そのタマネギについてお話をしましょう。
タマネギ(玉葱) ◇品種 原産地 ユリ科の多年草。鱗茎(りんけい)が発達して玉状になった ところが食用となります。 栽培植物としてはきわめて歴史の古いもので、原産地は ペルシャ地方と云われています。 あの美しいペルシャやインドのサラサの黄金色や褐色、黒灰色は、 タマネギの赤い薄皮から取り出した色素で染められたものです。 現在では世界各地に普及して栽培され、重要な野菜のひとつと なっています。 ◇日本における栽培 我が国へ入ってきたタマネギはアメリカ産のもので、明治初年ごろ でした。 はじめは北海道だけで作っていましたが、その後全国に広められ、 北海道、大阪、兵庫、和歌山、愛知が名産地として知られています。 特に貯蔵にたえるので、一年中利用されます。 主として鱗茎を食用としますが、春、長ネギが開花して食用とされ なくなったころ、まだ成長していない球茎とともに葉ネギと称して、 長ネギの代用にされることもあります。 その葉は少し堅いですが、ネギ独特の臭みの少ないのが好まれます。 ◇収穫 初夏のころ収穫され、地下鱗茎が充分発達すると、茎葉は自然に 倒れて枯れます。 ◇タマネギの種類 ○黄タマネギ 通常タマネギと呼ばれるのはこの種類です。 外皮が黄色く内部は白色で、肉がしまって堅く充実しています。 扁平又は球形で、収穫後1ヶ月間風干しして、皮を乾かしてから 出荷されます。イエローグローブダンバース系の札幌黄や 泉州黄からの改良種が、全国各地で栽培されています。 全国の生産量の50%が北海道産のものです。 貯蔵性が高いことから、一年中店頭に出回ります。 ○白タマネギ・新タマネギ 黄タマネギや白タマネギを春に先取りし、茎がまだ青い状態で 切って出荷されたものです。やや扁平で、外皮は白く、中も 透明な白色をしています。 水分が多くて甘みがあり、辛みや刺激臭が弱くておいしいので 生食に向いています。非常に腐りやすく貯蔵が困難で、 春先のわずかな期間のみに店頭に並びます。 ○赤タマネギ 紫タマネギ、レッドオニオンと呼ばれ、外皮は鮮やかな赤紫色で、 輪切りにすると中からも赤い輪が現れます。 黄タマネギよりも甘みがあり、水分が多く、辛みや刺激臭が 少ないので生食に向いています。 彩りを生かしてサラダや付け合わせなどに最適で、酢の物や 和えものにもよく使われます。 赤い色は抗酸化物質のアントシアニンで、ドレッシングや甘酢 などの酸味を加えると色がさえます。 長期保存は期待できないので早めに使用することをおすすめ します。 湘南レッドやアーリーレッドが代表品種です。 ○小タマネギ 直径3〜4cmほどの小さなタマネギで、丸のまま煮込み料理、 付け合わせなどに使用します。 ○スプリングオニオン 茎付きで出荷される小さな白タマネギです。 セロリや、ニンジンのスティックとともに生で前菜などに 使用されます。 ◇玉葱を刻むと涙が出てくるのは何故 タマネギを生で口に入れると、ピリッとした辛みを感じます。 タマネギに含まれる硫化アリルなどの揮発成分が空気中に放出 されるためで、要は揮発成分を発散させなければよいのです。 それには良く切れる包丁ですばやく切ります。 細胞が破壊されないので成分が発散されません。 また、切る前にタマネギを冷蔵庫で15分ほど冷やします。 冷やすことによって揮発成分の発散 が押さえられます。 ◇タマネギの栄養 タマネギには糖質が多く含まれ、果糖、ブドウ糖、ショ糖がほぼ 同量ずつ含まれ、このほとんどがエネルギー減として消費されます。 ○高血圧や糖尿病に 硫化アリルは動脈硬化の原因となる血栓やこれストロールの代謝を 促進し、血栓が出来にくくする作用があります。 ○食欲増進に 硫化アリルは、胃の消化液の分泌を高め、胃の働きを改善し、 食欲を増進させる作用があります。 玉葱は最初、洋風料理に使われていましたが、その後一般化して、 家庭にも普及し、いろいろな料理に使われるようになりました。 玉葱の料理については、サイト 「フランス料理博物館・ムッシュ米津の家庭料理」の5月に 紹介した『オニオングラタン』の作り方をご覧下さい。
☆ お知らせ ムッシュ米津の家庭料理のページでは 『ナスとホタテ貝のムニエル』の作り方をご紹介しています。 http://www.plaisirdelatable.jp/cooking/index.html ソースをかけると、”ふだん着”のムニエルが ”よそゆき”に。 ソースは、ぜひ白ぶどう酒を煮詰めて使ってください。
フランス料理に役立つ「フランス料理の食材・機材」では、 料理に使っていただきたい最高の食材と機材をリンクで ご紹介しております。 http://www.plaisirdelatable.jp/food/index.html 今月は『岩魚(いわな)』と『チェリモヤ』を ご紹介しております。 こちらのコーナーも、ぜひご活用ください。
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