フランス料理博物館 プレジール・ドゥ・ラ・ターブル

Vol.31  2011年6月


ただ今、新しいパートナーの方々と、フランス料理博物館

plaisir de la table(プレジール・ドゥ・ラ・ターブル)の

内容の充実に取り組んでおります。

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皆様お元気ですか。
玉葱の収穫が始まっております。

今日は、そのタマネギについてお話をしましょう。

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タマネギ(玉葱)

◇品種 原産地
ユリ科の多年草。鱗茎(りんけい)が発達して玉状になった
ところが食用となります。
栽培植物としてはきわめて歴史の古いもので、原産地は
ペルシャ地方と云われています。
あの美しいペルシャやインドのサラサの黄金色や褐色、黒灰色は、
タマネギの赤い薄皮から取り出した色素で染められたものです。
現在では世界各地に普及して栽培され、重要な野菜のひとつと
なっています。

◇日本における栽培
我が国へ入ってきたタマネギはアメリカ産のもので、明治初年ごろ
でした。
はじめは北海道だけで作っていましたが、その後全国に広められ、
北海道、大阪、兵庫、和歌山、愛知が名産地として知られています。
特に貯蔵にたえるので、一年中利用されます。
主として鱗茎を食用としますが、春、長ネギが開花して食用とされ
なくなったころ、まだ成長していない球茎とともに葉ネギと称して、
長ネギの代用にされることもあります。
その葉は少し堅いですが、ネギ独特の臭みの少ないのが好まれます。

◇収穫
初夏のころ収穫され、地下鱗茎が充分発達すると、茎葉は自然に
倒れて枯れます。

◇タマネギの種類

黄タマネギ
 通常タマネギと呼ばれるのはこの種類です。
 外皮が黄色く内部は白色で、肉がしまって堅く充実しています。
 扁平又は球形で、収穫後1ヶ月間風干しして、皮を乾かしてから
 出荷されます。イエローグローブダンバース系の札幌黄や
 泉州黄からの改良種が、全国各地で栽培されています。
 全国の生産量の50%が北海道産のものです。
 貯蔵性が高いことから、一年中店頭に出回ります。

白タマネギ・新タマネギ
 黄タマネギや白タマネギを春に先取りし、茎がまだ青い状態で
 切って出荷されたものです。やや扁平で、外皮は白く、中も
 透明な白色をしています。
 水分が多くて甘みがあり、辛みや刺激臭が弱くておいしいので
 生食に向いています。非常に腐りやすく貯蔵が困難で、
 春先のわずかな期間のみに店頭に並びます。

赤タマネギ
 紫タマネギ、レッドオニオンと呼ばれ、外皮は鮮やかな赤紫色で、
 輪切りにすると中からも赤い輪が現れます。
 黄タマネギよりも甘みがあり、水分が多く、辛みや刺激臭が
 少ないので生食に向いています。
 彩りを生かしてサラダや付け合わせなどに最適で、酢の物や
 和えものにもよく使われます。
 赤い色は抗酸化物質のアントシアニンで、ドレッシングや甘酢
 などの酸味を加えると色がさえます。
 長期保存は期待できないので早めに使用することをおすすめ
 します。
 湘南レッドやアーリーレッドが代表品種です。

小タマネギ
 直径3〜4cmほどの小さなタマネギで、丸のまま煮込み料理、
 付け合わせなどに使用します。

スプリングオニオン
 茎付きで出荷される小さな白タマネギです。
 セロリや、ニンジンのスティックとともに生で前菜などに
 使用されます。

◇玉葱を刻むと涙が出てくるのは何故
タマネギを生で口に入れると、ピリッとした辛みを感じます。
タマネギに含まれる硫化アリルなどの揮発成分が空気中に放出
されるためで、要は揮発成分を発散させなければよいのです。
それには良く切れる包丁ですばやく切ります。
細胞が破壊されないので成分が発散されません。
また、切る前にタマネギを冷蔵庫で15分ほど冷やします。
冷やすことによって揮発成分の発散 が押さえられます。

◇タマネギの栄養
タマネギには糖質が多く含まれ、果糖、ブドウ糖、ショ糖がほぼ
同量ずつ含まれ、このほとんどがエネルギー減として消費されます。

高血圧や糖尿病に
 硫化アリルは動脈硬化の原因となる血栓やこれストロールの代謝を
 促進し、血栓が出来にくくする作用があります。
食欲増進に
 硫化アリルは、胃の消化液の分泌を高め、胃の働きを改善し、
 食欲を増進させる作用があります。

玉葱は最初、洋風料理に使われていましたが、その後一般化して、
家庭にも普及し、いろいろな料理に使われるようになりました。

玉葱の料理については、サイト
フランス料理博物館・ムッシュ米津の家庭料理」の5月
紹介した『オニオングラタン』の作り方をご覧下さい。

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☆ お知らせ

 ムッシュ米津の家庭料理のページでは
ナスとホタテ貝のムニエル』の作り方をご紹介しています。

 http://www.plaisirdelatable.jp/cooking/index.html

 ソースをかけると、”ふだん着”のムニエルが
 ”よそゆき”に。
 ソースは、ぜひ白ぶどう酒を煮詰めて使ってください。

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フランス料理に役立つ「フランス料理の食材・機材」では、
料理に使っていただきたい最高の食材と機材をリンクで
ご紹介しております。

 http://www.plaisirdelatable.jp/food/index.html

 今月は『岩魚(いわな)』『チェリモヤ』
 ご紹介しております。

こちらのコーナーも、ぜひご活用ください。

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