ただ今、新しいパートナーの方々と、フランス料理博物館 plaisir de la table(プレジール・ドゥ・ラ・ターブル)の 内容の充実に取り組んでおります。
皆様お元気ですか。 早いもので、秋風がたつ季節になりました。 天高くして、馬肥ゆる秋、 おいしい料理で、気力を回復しましょう。 さて今日のお話しは「イモ・タコ・ナンキン」のカボチャです。
◇カボチャ(南瓜) ウリ科の1年生の果菜。関東ではトウナス、関西では ナンキン、九州ではボウブラとも云われています。 種類は大変多いですが、大別すると、本来の日本カボチャと、 明治初年新開拓の北海道に導入された西洋種のクリカボチャ、 それにポンキンの三種類があります。 原産地については、異説が多くありますが、 現在は、日本カボチャは中央アメリカ、 クリカボチャはペルー・チリなど南アメリカ山岳、 ポンキンはアメリカ南部であろうと推定されています。 栽培は、日本では春に播種(はしゅ)し、夏から秋にかけて 果実を収穫します。 野菜の中でも特に強健で、こぼれ種から発芽することも あります。 栽培法はいたって簡単で、無農薬栽培も可能ですし、 播種、植え付け後は放置しても収穫に至ります。 ◇カボチャの栄養について カロチン、ビタミンB1・B2・C・E、ミネラルなどを 豊富に含むので、抵抗力の弱まっている季節にカボチャを 食べるのは、理にかなっており、「冬至のとうなす」と 云われるのは、生活の知恵ともいえるでしょう。 子供の成長にも、生活習慣病の予防・改善にも欠かせない 栄養をたっぷり含みますので、冬至に限らず、積極的に 摂りたい野菜です。 ◇効能について 風邪予防や、滋養強壮で知られていますが、カボチャに 含まれるペクチンが、体内の毒素、有害物質を排出します。 またペクチンは、胃の粘膜を保護します。 カボチャに含まれる微量元素のコバルトが 新陳代謝、造血を促進します。またコバルトは、 インシュリンの分泌する細胞に不可欠なので、 糖尿病の予防に効果があります。 免疫力向上。皮膚の強化 豊富に含まれるカロチンが、体内でビタミンAにかわり、 乾燥から肌を守ると同時に肌や粘膜をを丈夫にし、 感染症などえの免疫力。抵抗力を向上させます。 またビタミンEの含有量は、 野菜の中でもトップクラスのカボチャは、血行促進し、 活性酸素を抑制することで皮膚を強化します。 高血圧・骨粗しょう症予防 カルシュウム、ナトリウム、カリウム等の ミネラルを豊富に含みますので、 血圧の高い方や骨粗しょう症が気になる中高年の方にも、 おすすめの野菜です。 ◇カボチャのお話をしましょう。 2009年の10月のメールマガジンにも記載しましたが、 欧米では10月と云えば、ハローウインです。 ハローウインは10月31日、キリスト教の聖人を 記念する祭日の「万聖節」11月1日の前日です。 この行事はアイルランドに住んでいたケルト人の サウィン(sow-in)の行事がもととなっています。 この風習はアイルランド系移民を中心として アメリカに持ち込まれ、 今日のハロウィンという行事になったのです。 災いが自分の身に振りかぶらない様に、 人々は家の前に食べ物などを捧げるか、 かがり火で悪霊を追い払おうとしたようです。 収穫されたばかりの野菜やリンゴ、たいまつ、 カンテラ、ろうそくなどを持って集まり、 火を囲んで踊ったりしていました。 熱いろうそくが溶けて流れるのを防ぐために、 カブや、ジャガイモなどをくり抜いて、 中にろうそくを入れたそうです。 現在ではハローウインといえば、 オレンジ色のカボチャをくり抜いて作る 「ジャコランタン(jack-o'-lantern)や、 仮装した子供たちが、口々に 「トリック・オア・トリート(trick or treat)」 と云いながらお菓子を求めて練り歩き、 それらの子供たちのために、 お菓子や、「お楽しみ袋(good bag)」を用意する家も あります。 秋の行事として良く知られていますね。 それではカボチャを使ったお料理をご紹介しましょうか。
◇カボチャとハムのグラタン 材料 2人前
作り方 1 玉葱を薄切り、ハムは細切りにして鍋に入れ、 バターで炒めます。 2 その鍋に牛乳を150cc入れます。 カボチャの皮をむいて、縦二つ割りにして、 厚さ3mm位に切り、牛乳を入れた鍋の中に落とします。 カボチャを水にさらすとデンプン質が流出するからです。 3 鍋を火にかけ、煮立ったら弱火にして、時々そっと 混ぜながら、6〜7分間煮てカボチャが柔らかく なったら火を止め、塩、胡椒で味を付けます。 4 にんにくを半割りにして、その断面をグラタン皿の 内側にこすりつけて(嫌いな方は省きます)、 香りをしみこませます。 その中に煮たかぼちゃを流し入れ、チーズを一面に 振りかけます。 5 240度〜250度のオーブンに入れ、カボチャが熱くなり、 表面にこんがり 焼き色が付くまで焼きます。 (オーブントースターでも焼けます)
☆ お知らせ ムッシュ米津の家庭料理のページでは 『エスカロープ ド ボー コルドンブルー』の作り方を ご紹介しています。 http://www.plaisirdelatable.jp/cooking/index.html エスカロープとは、薄切りにした肉片のこと。 仔牛肉をそぎ切りにして、薄くたたいてのばし、 ハムとチーズを包んで焼き上げます。
フランス料理に役立つ「フランス料理の食材・機材」では、 料理に使っていただきたい最高の食材と機材をリンクで ご紹介しております。 http://www.plaisirdelatable.jp/food/index.html 今月は『甘エビ』と『ルレクチェ(洋梨)』を ご紹介しております。 こちらのコーナーも、ぜひご活用ください。
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