フランス料理博物館 プレジール・ドゥ・ラ・ターブル

Vol.53 2013年4月


フランス料理博物館 plaisir de la table

(プレジール・ドゥ・ラ・ターブル)は、

試行錯誤をくり返しながら、内容の充実に取り組んでおります。

∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

皆様お元気でお過ごしの事と存じます。
今日は、クロワッサンのお話しをしましょう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

クロワッサン フランス語で croissant と書きます。
三日月形に作ったフランス発祥のパンです。

なぜ、クロワッサンは三日月形になった?

クロワッサンは、フランスを代表するパンですが、
元々はオーストリア、ウィーンの名物でした。
フランスに伝わったのは、マリー・アントワネット
ルイ十六世のもとに嫁いだときのことです。
ウィーンで、この三日月形のパンが流行したのは、
十七世紀末のこと。

当時、オーストリアはトルコと戦争状態でしたが、
ある朝、早起きのパン屋が目覚めてみると、
ちょうどトルコ人がウィーンの街に地下道を掘って
攻め込もうとしているところでした。
この情報をパン屋がオーストリア軍に知らせたので、
急襲を免れ、ウィーンは無事でした。
このことを祝い、トルコ軍の旗のシンボルだった
三日月
を食べようという意味で作られたのが、
三日月のパン。これがフランスに伝わりクロワッサンと
名付けられたとの事です。

ちなみに中国語(北京語)
羊角」(ヤンジャオミエンバオ)と書き、
ヒツジの角の形に似ている事が由来。
なお、広東語ではウシの角の形のパンという意味の
牛角包」(アウコッバーウ)と呼ばれています。

クロワッサンの独特のサクサクしたパイに
似た食感は、イースト菌入りの生地を伸ばし、
バターを均一にはさんで折りたたみ、
それをまた伸ばしては折りたたむことで、
生地とバターがそれぞれ多重に薄い層をなし、
それを焼き上げて作ります。

クロワッサンはそのままコーヒーと共に
朝食に食べる
ことが多いですが、チョコレートや
アーモンドを焼き上げる前に練りこむこともあり、
チョコレートを包んだクロワッサンは
パン・オ・ショコラ(pain au chocolat)と呼ばれます。
プロセスチーズやウィンナーソーセージなどを包んで
焼き上げられることもあります。
切り込みを入れてサンドイッチにも使用されます。

独特の食感を出すには生地の出来が重要で、
うまく作るのにはある程度のコツと手間が
かかります。
そのため、これを省きながらも家庭で焼きたてのものが
食べられるように、冷凍の生地が販売されています。
また、ベーカリーやレストラン向けの業務用のものも
あります。
生地の生成に手間がかかるためかつては高級パンの
代名詞でしたが、現代では機械で成形することが
可能になり価格も手頃になり、一般家庭でも親しまれる
パンとなりました。

それではクロワサンを使ってサンドイッチを作って
みましょう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アメリカンクラブハウス風 

 アメリカンクラブハウス風と云えば、本当は
 あまり厚くないトーストを3枚使い、
 下の段にトリとレタスをおき、トーストを重ね、
 上の段にトマトとベーコンをはさみます。
 でも、クロワッサンを3枚に切る事は出来ないので、
 2種類を1組にして盛り合わせると良いでしょう。

 材料 2人前
 ・クロワッサン 4個
 ・トマト 1/2個
 ・ベーコン 4枚
 ・トリ肉骨なし 100g
 ・マヨネーズ 40g
 ・レタスの葉 2枚
 ・オリーブ 4個

 2種類(A、B)のサンドイッチを作ります

 作り方

 A:チキンマヨネーズ

 1 鶏を蒸して、冷まし、マヨネーズで和えます。

 2 トリに軽く塩、コショウをし、そぎ切りにして
   蒸し器で蒸すか、白ワインを少しふりかけて
   アルミホイルで包み、オーブントースターで
   蒸し焼きにして、ホイルのまま冷まします。

 3 トリを細切りにして、マヨネーズで和えます。

 4 仕上げです。
   クロワッサンを横半分に切り、トリを詰め、
   レタスの葉をのせて軽く押さえます。

 B:ベーコントマト

 1 ベーコンを焼きます。

 2 ベーコンを半分に切り、油のひいていない
   フライパンに貼り付けるように並べます。
   (重ねないようにします。)
   火にかけてじわじわと焼きます。途中、
   裏返したくなりますが、がまんしてください。
   このときはがすと、ベーコンが曲がって
   しまうのです。
   縁が茶色くなり、充分に焼け固まったら、
   そっと裏返してもう片面を焼き、お皿に取ります。

 3 ベーコンとトマトをはさんで仕上げます。
   別のクロワッサンも横半分に切り、ベーコン、
   トマトの薄切りをはさみ、それぞれに、
   つまようじにオリーブを刺してとめます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

スクランブルドエッグ スモークサーモン入りクロワッサン

 材料 2人前
 ・クロワッサン 2個
 ・卵 1個
 ・生クリーム 大匙1杯
 ・バター 15g
 ・スモークサーモン 2枚
 ・青ネギみじん切り 大匙1/2杯
 ・オリーブ 2個

 作り方

 1 スクランブルドエッグを作ります。
   なべにバターを入れ、弱火で溶かし、
   卵、生ムリームを混ぜ入れ、コショウをふり、
   しゃもじでかき混ぜながら、均一のクリーム状に煮て、
   ボールに入れ、冷まします。

 2 スモークサーモンを混ぜて具を作って仕上げます。
   細かく切ったスモークサーモンと青ネギを混ぜます。
   サーモンの塩味で、卵に充分味が付きます。

 3 クロワッサンを横半分に切って、この卵をはさみます。
   つまようじにオリーブを刺して止めます。

 4 さあ、盛りつけましょう。
   スクランブルドエッグ スモークサーモン入り
   クロワッサンアメリカンクラブハウス風AとBを
   ひとつずつ、又は全部一緒に大皿に盛りつけます。


∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

☆ お知らせ

 ムッシュ米津の家庭料理のページでは
 『空豆の田舎風スープ』の作り方を
 ご紹介しています。

 http://www.plaisirdelatable.jp/cooking/index.html

 4月は、どんな料理が良いかなあっと
 考えて居る時に思い出した料理です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 フランス料理に役立つ「フランス料理の食材・機材」では、
 料理に使っていただきたい最高の食材と機材をリンクで
 ご紹介しております。

 http://www.plaisirdelatable.jp/food/index.html

 今月は『レッドアンディーブ』
 『芽キャベツ』をご紹介しております。

こちらのコーナーも、ぜひご活用ください。

∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

 運営者 MCF Japon
    (エム・シー・エフ ジャポン)
 plaisir de la table
    (プレジール・ドゥ・ラ・ターブル)
 フランス料理博物館
 http://www.plaisirdelatable.jp/index.html
 主宰 米津春日( YONEZU Harubi )
 所在地 奈良市鶴舞東町2丁目33番 〒631-0021
 連絡先 info@plaisirdelatable.jp