フランス料理博物館 プレジール・ドゥ・ラ・ターブル

Vol.62 2014年1月


フランス料理博物館 plaisir de la table

(プレジール・ドゥ・ラ・ターブル)は、

試行錯誤をくり返しながら、内容の充実に取り組んでおります。

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 明けましておめでとうございます。
 本年も宜しくお願い申し上げます。


今日は、リゾットのお話をしましょう。

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私が初めてリゾットと出会ったのは、
40数年前、イタリア旅行をしたときのこと、
オッソ・ビュッコ」という子牛のすねの煮込みに
添えられた、「サフラン入りのリゾットミラネーズ
でした。
日本の「おじや」とも違う食感で、かすかに芯のある、
そしてサフランとチーズのきいた、忘れられない
異国の味でした。

その歴史は、
イタリアは中世からポー川を利用して水稲栽培
成功した地域であり、スペインと並んで米を生産する
ヨーロッパで数少ない国のひとつです。
長い間、米料理はイタリア北部に限定され、
そのほとんどは、米をバターで炒め、
スープとサフランを加えて炊いたものでした。
これがリゾットの原型で、現在はイタリア全土に
普及し、イタリアのどこのレストランのメニュー
にも登場します。

それでは、本場イタリアのリゾットの作り方を
ご紹介しましょう。

イタリアのリゾットの基本よると
カルナローリ(Carnaroli)、アルボリオ(arborio)、
ヴィアローネ・ナノなどの中粒種米のうち、
大きめのものが適する。
米は研がない
米は新米のように水分が多いものより古米の方が良い
基本的に芯が残るアルデンテになるように調理する。

基本的な作り方
(1)
 深鍋に(あまり口の広いものは好ましくない)
 オリーブ・オイル(又はバター)を熱し、
 ニンニク、ポロネギ(白ネギ、タマネギで代用可)を
 炒める。(場合によっては唐辛子も)
(2)
 オイルに香りが移ったら、米を入れてオイルをなじませる。
 オイルがなじんできたら、白ワインを入れてアルコールを
 蒸発させる。
(3)
 米の1.3倍ほどの分量の水か野菜の出汁(ブイヨンなどで
 代用可。いずれにせよ熱くしておくこと。以下水分とする)
 を追加、あまりこまめにかき混ぜないように煮立てていく。
(4)
 水が蒸発、および米に吸われて無くなりそうだったら、
 さらに水分を追加(常に米が浸るくらいに)、これを
 繰り返して、米がアルデンテの状態になるまで煮る。
(5)
 好きな食材(野菜、茸、ソーセージ、魚介類など)を入れ、
 塩、胡椒、パルミジャーノ・レッジャーノなどで味を調え、
 少し火を通して出来上がり。
 バター、オリーブオイルなどで香り付けをしても良い。

米の分量は、手のひら一杯に乗る分が一人分
と覚えておくと計量カップが無くても代用できる。

主な種類
ミラノ風リゾット(Risotto alla Milanese):
 鶏または牛のブイヨン、サフラン、骨髄、バター、
 パルミジャーノ・レッジャーノで作ったリゾット、
となっています。

パルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)は
イタリアを代表するチーズのひとつ。
イタリアチーズの王様とも呼ばれます。

ここに茸のリゾットを添付しました。
さあ皆様もリゾットをお楽しみ下さい。


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茸のリゾット

 材料 4人前
 ・米 2カップ
 ・マッシュルーム 1パック
 ・椎茸 1パック
 ・しめじ 1パック
 ・玉葱 1パック
 ・チキンブイヨン又は固形チキンスープ 3個
 ・水 8カップ
 ・オリーブ油
 ・バター 60g
 ・すり卸したチーズ 80g
 ・1cmの長さに切った浅葱(細い葱) 大匙4杯

 作り方

 1 米を洗ってざるにあけ、充分に(30分位)
   さらさらになるまで、水気を切ります。
   玉葱は粗みじん切りです。

 2 しめじは軸を切ってばらし、椎茸、
   マッシュルームは軸を取って、
   3mm位の厚さに切ります。
   フライパンにオリーブ油大匙1杯を入れ
   強火で茸を炒めて置きます。

 3 水を8カップ計量し、固形チキンブイヨン
   3個を入れて煮溶かします。

 4 オリーブ油大匙2杯で、玉葱を鍋に入れて炒め、
   その後米を加えて更に炒めます。
   米に水気があると鍋の底や、縁にくっつくので、
   さらさらになるまで乾かしましょう。
   米に油がしみ込むまで4〜5分は弱火で炒めて下さい。

 5 次に、炒めた茸とチキンブイヨンを4カップ入れ、
   煮上がったら、やや弱火で軽く煮立てながら、
   ときどきしゃもじで混ぜて、約10分間煮ます。
   蓋はしません。 

 6 残りのブイヨン3カップを足し煮続けます。
   5分程して、米の硬さを確かめ、まだ硬い様なら、
   残りのブイヨンを加え、更にかき混ぜながら
   5分程煮ます。
   初め煮上がってから約20分くらいを出来上がりの
   目安として下さい。

 7 鍋を火からおろし、すり卸しチーズを加え、
   次にバターを小切りにして混ぜ、塩味を確かめ、
   浅葱を混ぜます。

 * 終始、蓋はしません。
   火があまり弱すぎて煮立ちが止まってもいけません。
   米の芯がなくなり、でもまだ硬いかなっていう
   ところがポイントです。
 * 最後に加えるバターとチーズは味付けですから、
   お好みで増減して下さい。
   米1に対して、ブイヨン4が基本形です。
 * 有塩のバターを使用する時は、固形スープの
   塩味とで殆ど後からの塩は、不要だと思います。

 リゾットは出来上がりを召し上がる事がポイントです。


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☆ お知らせ

 ムッシュ米津の家庭料理のページでは
 『かぶのポ・ト・フー』の作り方を
 ご紹介しています。

 http://www.plaisirdelatable.jp/cooking/index.html

 大きめのお鍋に入れて卓上コンロにかけ、
 煮ながら召し上がるのも、寒い日にはよいでしょう

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 フランス料理に役立つ「フランス料理の食材・機材」では、
 料理に使っていただきたい最高の食材と機材をリンクで
 ご紹介しております。

 http://www.plaisirdelatable.jp/food/index.html

 今月は『パルミット(ヤシの新芽))』
 『グリーンペッパー』をご紹介しております。

こちらのコーナーも、ぜひご活用ください。

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