フランス料理博物館 プレジール・ドゥ・ラ・ターブル

Vol.64 2014年3月


フランス料理博物館 plaisir de la table

(プレジール・ドゥ・ラ・ターブル)は、

試行錯誤をくり返しながら、内容の充実に取り組んでおります。

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今月は、についてお話をしましょう。

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は3月下旬から4月上旬頃に薄桃色の花をつけます。
桃の花」は春の季語
桃が咲き始める時期は、中国では桃始華
日本は桃始笑と呼ばれ、それぞれ啓蟄
(冬ごもり虫が出てくる時期)にあたります。

淡い紅色であるものが多いですが、白色から
濃紅色まで様々な色のものがあります。
五弁または多重弁で、多くの雄しべを持ち、
花柄は非常に短く、枝に直接着生しているように
見えます。
観賞用の品種(花桃)は源平桃(げんぺいもも)・
枝垂れ桃(しだれもも)など。
庭木として、あるいは華道で切り花として
用いられています。

葉は花よりやや遅れて茂り、幅5cm、長さ15cm
程度の細長い形で互生し、縁は粗い鋸歯状。
湯に入れた桃葉湯は、あせもなど皮膚の炎症に
効くとされています。
ただし、乾燥していない葉は青酸化合物を
含むので換気に十分注意しなければなりません。

さて、桃の実ですが、7月〜8月に実ります。
桃の実」は秋の季語
球形で縦に割れているのが特徴的。
果実は赤みがかった白色の薄い皮に包まれています。
果肉は水分を多く含んで柔らかく、水分や糖分、
カリウム
などを多く含んでいます。
栽培中、病害虫に侵されやすい果物であるため、
袋をかけて保護しなければならない手間の掛かる
作物
です。
また、痛みやすく収穫後すぐに軟らかくなるため、
賞味期間も短く、生で食べるほか、ジュース
(ネクター)
や、シロップ漬けにした缶詰
良く見られます。

さて、ピーチ・メルバのお話は、2011年34号
お読みになった事と思いますが、もう一度お話し
しましょう。

1890年に請われてロンドンのサヴォイホテル
料理長に就任した、オーギュスト・エスコフィエ氏
毎日の料理作りに加えて、新しい料理の創作にも励み、
顧客の高い評価を得ました。
またレストランの照明に工夫を凝らし
女性の顔立ちを美しく見せる様な配慮をしました。
婦人たちはこの心遣いに敏感に反応して、
サヴォイホテルのレストランの常連となりました。
女性客の支持がレストランの繁栄の秘訣であると信じ
実行しました。
その後、リッツ氏共にロンドンのカールトンホテルで働き、
美食の殿堂の成功を収めました。

ペーシュ・メルバが初めてメニューに載ったのは
カールトンホテルの開業の時でありました。

オーストラリア生まれのソプラノ歌手
ネリー・メルバ」(1861〜1931)が
サヴォイホテルに宿泊していて、
近くのコーヴェント・ガーデンで歌っていました。
彼女はワグナーのローエングリーンに出演中であり、
メルバ夫人と数人の友人の夕食会のデザートに、
エスコフィエはローエングリーンの第一幕に登場した
白鳥をイメージして、
銀製のテリーヌ型の底にヴァニラアイスクリームを敷き、
その上に柔らかく熟した白桃をのせ、
翼を広げた白鳥に抱かせ、
シュクル・フィレ(糸状のあめ)のヴェールをかぶせたもの

でした。
これに砂糖入りのフランボワッズのピュレを添えて
お出ししました。

メルバ夫人は大層喜ばれ、これが瞬く内に広まり、
いまでは世界中で「ペーシュ・メルバ」が
作られる様になりました。
以上述べたものが本当の作り方で、
泡立てクリームで飾ったり、ナッツを振りかけたり、
色々の作り方がされていることは残念ですが、
ペーシュ・メルバを好まれる方が、
世界中におられるのは嬉しい限りです。

皆様も市販の,缶詰の白桃,バニラアイスクリーム、
フランボワッズ(えぞイチゴ)のジャムで作ってみませんか。

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☆ お知らせ

 ムッシュ米津の家庭料理のページでは
 『かんたん・スリム ほうれん草のリゾット』
 作り方をご紹介しています。

 http://www.plaisirdelatable.jp/cooking/index.html

 リゾットは出来上がりに食べないと美味しくありません。
 そして、米から作るのですが、時間がかかります。

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 フランス料理に役立つ「フランス料理の食材・機材」では、
 料理に使っていただきたい最高の食材と機材をリンクで
 ご紹介しております。

 http://www.plaisirdelatable.jp/food/index.html

 今月は『バジル』『かさご』
 ご紹介しております。

こちらのコーナーも、ぜひご活用ください。

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