フランス料理博物館 プレジール・ドゥ・ラ・ターブル

Vol.69 2014年8月


フランス料理博物館 plaisir de la table

(プレジール・ドゥ・ラ・ターブル)は、

試行錯誤をくり返しながら、内容の充実に取り組んでおります。

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涼しく凌ぎやすくなって来ますと、食欲が出てきます。
今日はナスのお話です。

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原産地はインドの東部と云われ、その後、ビルマを
経由して中国へ
渡ってたと考えられています。
中国では広く栽培され、日本でも1000年以上に渡り
栽培されています。
温帯では一年生植物ですが、熱帯では多年生植物です。
日本には奈良時代に、奈須比(なすび)として伝わり、
土地によっては現在もそう呼ばれることがあります。
女房言葉(室町時代初期頃から宮中や院に仕える
女房が使い始め、その一部は現在でも用いられる言葉。
語頭に「お」を付けて丁寧さをあらわすものあります)
により茄子となりました。
以降日本人にとってなじみのある庶民的な野菜
なったのです。
葉とヘタにはがあり、葉にはが生えています。

ナス(茄子)にまつわる諺が色々とあります。
親の意見とナス(茄子)の花は千に一つも無駄がない」は、
ナス(茄子)は実を結ばないような無駄な花はないの
意味です。
ウリ(瓜)の蔓にナス(茄子)はならぬ」は
「鳶が鷹を生む」と同じ意味で、親子関係を表わす諺。
また、「アキナス(秋茄子)は嫁に食わすな」には
2つの説があります。
美味しいアキナス(秋茄子)を嫁に食べさせるのは
もったいない
という説と、もう1つはアキナス(秋茄子)は、
体が冷えたり髪の毛が抜けたりするので、
嫁には食べさせない方がよい
とも云われています。

ナスは焼く、煮る、揚げるなど多くの方法で
調理されます。淡白な味で他の食材とも合せやすく、
また油を良く吸収し相性が良いです。
野菜炒めなどで油を吸わせたくない場合は、
油を入れる前にナスを少量の水で軽く煮るように
炒めて、スポンジ状の実に水分を含ませてやると
油を吸い難くなります。
皮も薄く柔らかいので剥かずに調理されることが多い。
また、ナスは古くからフグと相性が良いとされ、
てっちりやフグ汁には切ったナスが盛り込まれる
ことがあります。

今日は、"貧乏人のキャビア"の作り方をお話ししましょう。

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貧乏人のキャビア

 材料 2人前
 ・ナス(大) 2個
 ・ニンニク
 ・レモン汁
 ・パセリ
 ・オリーブ
 ・メルバトースト(薄焼きのトースト)

 作り方

 1 ナスを焼きます
   普通はナスの表面に包丁で切れ目を入れて、
   オーブンでころがしながら焼きます。
   ガスに網をかけて、焼きナスの要領で
   焼いてもかまいません。焼けたら、
   皮をむき、果肉をごく細かく切ります。

 2 ナスを煮て、味つけをします
   切ったナスの果肉を、なべに入れ、
   すりおろしたニンニクを小さじ1/3くらい
   加えて火にかけ、 たえず混ぜながら煮詰めます。
   塩、コショウを入れ、オリーブ油を少し入れます。
   仕上げにレモン汁を加えて味を整えます。

 3 仕上げです
   冷めたら冷蔵庫に入れ、充分に冷やしてください。
   小鉢に盛り、刻みパセリをふりかけ、
   オリーブをあしらいます。

 本当にキャビアの味がするかですって?
 さあ、それはご自分で試してみてください。
 でも、薄焼きのトーストを添えると、
 これはこれで素朴な味のオードブルになりますよ。


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☆ お知らせ

 ムッシュ米津の家庭料理のページでは
 『茄子のキャセロ−ル』の作り方を
 ご紹介しています。

 http://www.plaisirdelatable.jp/cooking/index.html

 茄子は夏に美味しくなる野菜のひとつです。
 炒めて煮たり、揚げて田楽味噌で食べるのも
 美味しいですね。

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 フランス料理に役立つ「フランス料理の食材・機材」では、
 料理に使っていただきたい最高の食材と機材をリンクで
 ご紹介しております。

 http://www.plaisirdelatable.jp/food/index.html

 今月は『カリフラワー』
 ご紹介しております。

こちらのコーナーも、ぜひご活用ください。

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