フランス料理の楽しみ方

テーブルマナーについて

フランス料理というとマナーについて苦手意識を持つ方が少なくありません。たくさんのフォークやナイフが並んでいてなんだか落ち着かない…という意見もよく耳にします。

でも、ある程度のルールを覚えてしまえば、そんなに難しいことではありません。

マナーが気になって、フランス料理店へ足が遠のいてしまうなんて、もったいない。ここでは、最低限抑えておきたいマナーを覚えて、もっとフランス料理を楽しんでいただけるとうれしいです。
マナーとは、一緒に食事する相手や、周りの人に対する気遣いです。
つまり、思いやる心が何よりも大切ということですね。

着席したら…
頼んだ飲み物が来る頃には、ナプキンを膝に置くようにしましょう。
オーダーが済んですぐでもかまいません。
二つもしくは1/3にたたんで、「わ」(折り山になっている部分)が、自分の方にくるように置くと口元を拭きやすくなります。
ナプキンの使い方
ナプキンの一番の役割って、何だと思います?
口元を拭くことです。もちろん、ソースなどがこぼれて服を汚すことがないようにという役割もありますが、一番は「口についたソースやあぶらを拭き取ること」です。
なぜかとうと、口元に脂分がついたまま、飲み物のグラスに口をつけると縁にあとがべったりとついて美しくありません。さらに、唇についている脂分が飲み物に移り、味の変化が起こってしまうのです。
飲み物を口にする前には、必ずナプキンを使って脂をとるようにしましょう。
ナプキンのスマートな置き方
途中で中座する場合は、椅子の上にナプキンを置きましょう。
そして、食事が終わったら、自分からみて左上にナプキンを置きますが、この際気をつけたいのが、あまりキレイにたたんではいけません。クチャクチャじゃない程度に簡単にたたんで置く方が良いのです。
なぜかキレイじゃない方が良いかというと、キレイにたたむのを忘れるぐらい美味しかった…という意味になるそうです。
ナイフ&フォーク〜種類と順序
たくさん並んだナイフとフォークを見て、ため息が出るという方もいらっしゃるでしょう。
種類としては、オードブル用、魚料理用、肉料理用、デザート用などがあり、大体は外側から使う順番に並んでいます。
(※デザート用は正面においてある場合が多いです。)
基本的には外側から順に使っていけば、まず間違いはありません。もし間違えても、スタッフがさりげなく交換してくれるはずです。
ナイフ&フォーク〜置き方
食事の途中でナイフとフォークを置く場合、カタカナの「ハ」の字にするということはご存知の方も多いと思います。しかし、意外と多いのがナイフの刃の部分を外側に向けている方です。これは、もちろん間違いですので、刃の部分は内側に来るように気をつけましょう。
食事が終わったら、ナイフとフォークを揃えて縦に平行置くと終了した合図になります。
この時も、刃は内側に向けるようにしましょう。
ナイフやフォークを床に落としたら…
もしも、食事の途中でナイフやフォークを床に落としてしまったら自分で拾わずに、スタッフに処理してもらうようにしてください。
気を付けたいナイフやフォークのマナー違反は…
ナイフ&フォークにまつわるマナー違反として意外と多いのが、お話に夢中になって、ナイフやフォークを振り回して喋ってしまうこと。
和食で、箸を振り回してはいけないのと一緒で、品が悪い行動ですから、慎みましょう。
スープのいただき方
フランスではスープは飲み物ではなく、食べるものという感覚なのです。
口の中に静かに流し込んで、味わうものですから、音を立てて吸い込むのはいただけません。そして、フランス式は皿の奥から手前に、イギリス式では手前から奥へすくうのです。
日本のテーブルマナーとしては、イギリス式が定着しているように思いますが、どちらで方法でも間違いではありません。
パンのいただき方
スープが運ばれる頃に、パンもテーブルに並べられます。パンはデザートまでに食べるようにしましょう。
パンくずがテーブルに散らばって、恥ずかしいからと言って自分で拾ったり、床に落としたりするのは止めましょう。
あまったソースを、パンでぬぐって食べるのは、マナー違反ではありませんが、晩餐会など公式のディナーなどの場合は止めておかれる方が良い行為です。
普段の気軽なディナーなら、気にせずパンでソースを楽しみましょう。

冒頭にもお話した通り、マナーとは気遣い、思いやりです。
一緒に食事をする人はもちろん、自分達以外のゲストの人に対してもそういった気持ちを持って接することが出来れば、あなたのテーブルマナーは完璧です!

そして、テーブルマナーに気を取られて、楽しい会話がなくならないように気をつけてくださいね。
楽しい雰囲気と会話こそ、食事を豊かで、最高のものにしてくれるエッセンスなのです。

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